こんにちは、エレキギター完全ガイドの山田です。
Gibsonのピックアップを調べていると、必ずといっていいほど名前が出てくるのが「57 Classic」です。レスポールやSG、ES系のギターで使われてきた定番ハムバッカーですが、「実際にはどんな音なのか」「Burstbuckerとは何が違うのか」「57 Classic Plusを選んだ方がよいのか」と迷う方も多いでしょう。
57 Classicは、単純に出力が高くて強く歪むタイプではありません。アルニコ2マグネットとバランスドコイルを採用し、太さや甘さを持ちながら、ピッキングやギター側のボリューム操作にも反応させやすいヴィンテージ志向のハムバッカーです。
一方、現在は通常の57 Classicだけでなく、出力を高めた57 Classic Plus、巻き数を抑えた57 Classic Underwound、4芯配線モデルなど複数のバリエーションがあります。そのため、名前だけで選ぶより、それぞれの違いを理解してから自分のギターや演奏スタイルに合うものを選ぶことが大切です。
この記事では、Gibson公式の現行仕様も確認しながら、57 Classicの特徴や音、PlusやUnderwoundとの違い、Burstbuckerとの比較、レスポールとの相性、交換時に確認したいポイントまで整理します。
- Gibson 57 Classicの基本仕様と音の特徴
- 57 Classic PlusやUnderwoundとの違い
- Burstbuckerとの音や構造の違い
- 搭載ギターや交換用ピックアップの選び方
Gibson 57 Classicの特徴と音
57 Classicとはどんなピックアップか
Gibson 57 Classicは、1950年代後半のGibson Patent Applied For humbucker、いわゆるPAF系のサウンドを意識して作られたハムバッカーピックアップです。
57 Classic自体が登場したのは1990年で、Gibsonでは長年にわたって生産されてきた定番ピックアップの一つです。ヴィンテージ系の設計を基本としながら、ワックスポッティングを採用することで、大音量時に起こる不要なマイクロフォニックフィードバックにも配慮されています。
現行の標準的な57 Classicでは、アルニコ2マグネット、バランスドコイル、平均DC抵抗値8kΩという仕様が採用されています。通常モデルはネックとブリッジのどちらにも使用できる「Position: Any」とされているため、前後を同じ57 Classicでそろえることも可能です。
| 項目 | 57 Classicの基本仕様 |
|---|---|
| タイプ | パッシブ・ハムバッカー |
| マグネット | Alnico 2 |
| 平均DC抵抗値 | 約8kΩ |
| コイル | バランスドコイル |
| ポッティング | ワックスポッティング |
| 推奨ポジション | ネック・ブリッジの両方 |
| 代表的な配線 | 2芯編組線 |
ただし、現在はニッケルカバー、ゴールドカバー、オープンタイプ、4芯配線など複数の仕様があります。中古品も含めて探す場合は、「57 Classic」という名称だけで判断せず、配線方式やカバーの有無まで確認した方が安心です。
アルニコ2と8kΩの意味
57 Classicを理解するうえで重要なのが、アルニコ2マグネットと約8kΩという仕様です。
Gibsonはアルニコ2について、比較的出力が穏やかで、温かく甘い音色を持ち、ピッキングの強弱にも反応しやすい磁石として位置づけています。57 Classicの柔らかな高域や、耳に刺さりにくい中高域は、このマグネットのキャラクターと無関係ではありません。
また、約8kΩというDC抵抗値は、現代のハイアウトプット・ハムバッカーと比べれば控えめな部類です。ただし、DC抵抗値だけでピックアップの実際の音量や音質を完全に判断できるわけではありません。
コイルの巻き数、使用する線材、マグネット、ピックアップの高さ、ギター本体、ポットの抵抗値など、さまざまな条件によって最終的な出音は変化します。そのため「8kΩだから音が小さい」と単純に考えない方がよいでしょう。
むしろ57 Classicの魅力は、必要以上に出力を高くしないことで、アンプやエフェクター側でクリーンからクランチ、オーバードライブまで作り込みやすいところにあります。
57 Classicの音の特徴
57 Classicの音を一言で表現するなら、太さと甘さを持ちながら、極端に高出力ではないヴィンテージ系ハムバッカーです。
フロントでは丸みのある低音と滑らかな中音域が出やすく、単音を弾いたときにも線が細くなりにくい傾向があります。トーンを少し絞れば、ブルースやジャズ寄りの柔らかなサウンドも作りやすいでしょう。
一方、リアではコードを歪ませても必要以上に音が潰れにくく、クラシックロックらしいクランチやオーバードライブと相性のよいキャラクターがあります。
もちろん、57 Classicを搭載すれば必ず同じ音になるわけではありません。レスポール、SG、ES-335系ではボディ構造やスケール、ブリッジ、電装パーツなどが異なるため、同じピックアップでも印象は変わります。
それでも「ハムバッカーらしい太さは欲しいが、極端に高出力なピックアップまでは必要ない」という方には、非常に分かりやすい選択肢です。

特にレスポール系では、フロントの太さとリアの歯切れをどう両立させるかがピックアップ選びのポイントになります。57 Classicは、その中でも比較的クセが強すぎず、ギター側のボリュームやトーンを積極的に使いたい人にも向いています。
57 Classic Plusとの違い
57 Classicを検討するとき、多くの方が迷うのが57 Classic Plusとの違いです。
57 Classic Plusもアルニコ2とバランスドコイルを採用していますが、通常の57 Classicよりコイルの巻き数を増やしたオーバーワウンド仕様です。現行仕様では平均DC抵抗値が約9kΩとなっており、Gibsonはブリッジポジション向けとして案内しています。
| 項目 | 57 Classic | 57 Classic Plus |
|---|---|---|
| マグネット | Alnico 2 | Alnico 2 |
| 平均DC抵抗値 | 約8kΩ | 約9kΩ |
| 巻き数 | 標準 | やや多い |
| 出力 | ヴィンテージ寄り | やや高め |
| 推奨位置 | ネック・ブリッジ | 主にブリッジ |
| 音の方向性 | 滑らかでバランス重視 | より太く押し出しが強い |
レスポールでは、フロントに57 Classic、リアに57 Classic Plusという組み合わせが分かりやすい選択です。
リアピックアップは弦振動の振幅が小さくなるブリッジ付近に配置されるため、フロントより出力を高めたピックアップを組み合わせることで、前後を切り替えたときの音量差を調整しやすくなります。
ただし、リアにも柔らかさや抜けを求める場合は、前後とも57 Classicという組み合わせも成立します。高出力が必要かどうかではなく、アンプをどの程度プッシュしたいかで選ぶと分かりやすいでしょう。
Underwoundとの違い
57 Classicシリーズには、57 Classic Underwoundも用意されています。
Underwoundはその名前のとおり、通常の57 Classicよりコイルの巻き数を減らしたモデルです。現行仕様では平均DC抵抗値が約7.2kΩで、通常版より出力を抑えながら、明るさや抜けを感じやすい方向に調整されています。
GibsonはUnderwoundを主にリズム、つまりネックポジション向けとして位置づけています。
レスポールのフロントで音が太くなりすぎる、低音が膨らみすぎる、コードを弾いたときに輪郭がもう少し欲しいと感じている場合には、通常版よりUnderwoundの方が好みに合う可能性があります。
| モデル | 平均DC抵抗値 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 57 Classic Underwound | 約7.2kΩ | 低出力で明るくクリア |
| 57 Classic | 約8kΩ | 標準的で滑らか |
| 57 Classic Plus | 約9kΩ | 出力が高く太め |
この3種類は、単純に上位・下位の関係ではありません。Underwound、標準、Plusという巻き数と出力の違いによって、欲しいキャラクターを選び分けるシリーズと考えると理解しやすくなります。
Burstbuckerとの違い
57 Classicと並んでよく比較されるのがGibsonのBurstbuckerシリーズです。
どちらもPAF系のヴィンテージハムバッカーを意識した製品ですが、重要な違いの一つがコイルの考え方です。
57 Classicは2つのコイルの巻き数をそろえたバランスドコイルを採用しています。これに対し、Burstbucker系では初期PAFに見られた巻き数のばらつきを意識したアンバランスなコイルを採用するモデルがあります。
そのため57 Classicは、比較的滑らかでまとまりのよいサウンドを狙いやすい一方、Burstbucker系は倍音感やエッジ、空気感を重視したキャラクターとして感じられることがあります。
また、Burstbuckerという名前でもType 1、Type 2、Type 3、Burstbucker Pro、60s Burstbuckerなど複数のモデルが存在し、マグネットや出力、ポッティングの有無まで異なります。
したがって「57 ClassicとBurstbuckerはどちらが上か」という比較にはあまり意味がありません。
滑らかさ、太さ、扱いやすさを重視するなら57 Classic。もう少しエッジや複雑な倍音感を求めるならBurstbucker系というように、自分が欲しい方向から選ぶ方が現実的です。
Gibson 57 Classicの選び方
レスポールとの相性
57 Classicを交換用ピックアップとして考える場合、まず候補になるのがレスポールです。
レスポールは一般的にマホガニーバックとメイプルトップ、24.75インチスケール、セットネック、Tune-O-Matic系ブリッジ、2ハムバッカーという構成を持ちます。
もともと中低音が豊かになりやすいギターなので、高出力のハムバッカーを搭載すると、アンプや歪み量によっては音が飽和しすぎることがあります。
57 Classicは極端に出力を上げないため、レスポール本体の太さを残しながら、アンプ側で歪み量を調整しやすい点が魅力です。
特にクラシックロック、ブルース、70年代から80年代を意識したロックサウンドでは、レスポールとヴィンテージ出力のハムバッカーという組み合わせは非常に扱いやすいでしょう。

ただし、レスポールだから必ず57 Classicが最適というわけではありません。モダンなハードロックやメタルで強いアタックと高出力を求めるのであれば、498Tや500Tなど、より出力の高いモデルが候補になる場合もあります。
フロントとリアの選び方
57 Classicを前後どちらに使うか迷った場合は、まず現在のギターで何が不満なのか整理してください。
フロントが太すぎる、コードがこもる、低音が膨らむという場合は、57 Classic Underwoundが候補になります。
反対にフロントの単音を太くしたい、ブルースやリードで滑らかな音が欲しいのであれば、通常の57 Classicが使いやすいでしょう。
リアについては、レスポールらしいヴィンテージ感や抜けを優先するなら通常版、もう少しアンプを強く押して太いドライブサウンドを作りたいなら57 Classic Plusという考え方ができます。
迷ったときに分かりやすい組み合わせは、次の3パターンです。
- 前後57 Classicで統一して自然なバランスを狙う
- フロント57 Classic、リア57 Classic Plusでリアの出力を補う
- フロントUnderwound、リア57 Classicで明瞭さを重視する
ただし、最終的な音量バランスはピックアップの種類だけでなく、高さ調整でもかなり変えられます。交換直後に「フロントが大きすぎる」「リアが弱い」と感じても、すぐに別のピックアップへ交換するのではなく、まず高さを調整してみることをおすすめします。
配線と交換時の注意点
57 Classicを交換用として購入する場合は、配線方式を確認してください。
伝統的な57 Classicはヴィンテージスタイルの2芯編組線を採用しています。この仕様は一般的なハムバッカーとして使用するにはシンプルですが、コイルスプリットやシリーズ・パラレルなど複雑な配線を行いたい場合には制約があります。
一方、現行ラインには4芯仕様の57 Classicも存在します。こちらなら、ギター側の回路に応じてコイルスプリットなど、より多彩な配線へ対応しやすくなります。
交換前には少なくとも、次の点を確認した方がよいでしょう。
- 現在のピックアップが2芯か4芯か
- コイルスプリット機能を使用しているか
- ピックアップカバーの色と有無
- エスカッションとのサイズ互換性
- ポットやコンデンサーの状態
- ピックアップ交換後の高さ調整
また、ピックアップ交換ははんだ付けを伴います。配線を間違えると音が出ないだけでなく、セレクターやポットの動作に問題が出ることもあります。
自分ではんだ付けに慣れていない場合は、購入店やリペアショップへ依頼する方が確実です。ピックアップ代だけで判断せず、必要であれば交換工賃も含めて予算を考えてください。
搭載ギターから選ぶ方法
ピックアップ単体のレビューだけでは音のイメージをつかみにくい場合、57 Classicシリーズを実際に搭載したギターを見る方法もあります。
たとえばイケベ楽器では、57 Classic Underwoundをフロントとリアの両方に搭載したJapan Exclusive Les Paul Standard ’50s Custom Shop Topが掲載されています。
通常のLes Paul Standard ’50sで採用されることのあるBurstbucker系とは異なり、Underwoundを前後に採用しているため、低出力寄りの57 Classicシリーズをレスポールへ組み合わせた実例として参考になります。
ギター本体を探している場合は、ピックアップ名だけでなく、ネック形状、重量、ボディ構造、ブリッジ、配線方式まで合わせて確認しましょう。
単体購入と中古の選び方
すでに気に入っているギターがあり、現在のピックアップだけを変更したいのであれば、57 Classicを単体で購入する方法が現実的です。
現在はブラック、ゼブラ、ニッケルカバー、ゴールドカバーなど複数の外観があり、ギターの見た目を大きく変えずに交換しやすくなっています。
レスポール・カスタムのようにゴールドパーツで統一されたモデルならゴールドカバー、一般的なレスポール・スタンダードならニッケルカバーというように、音だけでなく外観も確認すると失敗しにくいでしょう。
Sound Houseでは、57 Classicのニッケルカバー仕様などをピックアップ単体で確認できます。

中古の57 Classicを購入する方法もありますが、単体ピックアップは外観だけで型番を判断しにくいことがあります。
特に57 Classic、57 Classic Plus、年代の異なる仕様、他モデルから取り外された純正ピックアップなどが混在しているため、裏面のラベル、リード線の長さ、抵抗値、出品者の説明を確認してください。
また、リード線が極端に短く切られている中古品では、取り付けるギターによって延長作業が必要になる場合があります。
新品との差額が小さいのであれば、保証や返品条件がある販売店から新品を購入した方が結果的に安心です。一方、生産終了仕様や特定年代の57 Classicを探している場合は、中古市場も選択肢になります。
57 Classicはフロントとリアの両方に使える?
通常の57 Classicは、Gibsonの現行仕様ではPositionがAnyとなっているため、フロントとリアのどちらにも使用できます。
前後とも57 Classicでそろえることも可能ですし、リアだけ出力を上げたい場合は57 Classic Plusと組み合わせる方法もあります。
57 Classic Plusはリア専用?
57 Classic Plusはブリッジポジション向けとして設計されています。通常版よりコイルを多く巻き、現行仕様では平均DC抵抗値が約9kΩまで高められています。
そのため、フロントに57 Classic、リアに57 Classic Plusという組み合わせが基本的な使い方です。
57 Classicはハイゲインでも使える?
57 Classicでもアンプやエフェクター側のゲインを上げれば十分に強く歪ませられます。また、ワックスポッティングされているため、ヴィンテージ志向の設計でありながら現代的な演奏環境も考えられています。
ただし、500Tなどの高出力ピックアップと比較すると、ピックアップ自体でアンプを強くプッシュするタイプではありません。
高出力と強いコンプレッション感を最優先するなら別のモデルが向きますが、ピッキングのニュアンスを残しながらアンプ側で歪ませたい人には使いやすいでしょう。
Burstbuckerとどちらを選ぶ?
滑らかさやまとまり、バランスのよさを優先するなら57 Classicが候補になります。
一方、PAFに見られたコイルのばらつきを意識した倍音感やエッジを求める場合は、Burstbucker系が候補です。
ただしBurstbuckerには複数種類があるため、単純にブランド名だけで比較せず、使用されているマグネットや巻き数、ポッティングの有無まで確認しましょう。
57 Classicに交換すれば音は良くなる?
必ず良くなるとは限りません。ピックアップ交換は「音質を上げる」というより、ギターの音の方向性を変える作業だと考えた方が適切です。
現在のギターが高出力ハムバッカーで、もっとピッキングニュアンスを出したい、ヴィンテージ寄りの太く滑らかな音へ変えたいという目的なら、57 Classicへの交換には意味があります。
反対に、現在よりさらに強い出力や鋭いアタックを求めている場合、57 Classicでは目的と逆になる可能性があります。
Gibson 57 Classicまとめ
Gibson 57 Classicは、PAF系ハムバッカーのキャラクターを現代でも扱いやすい形にまとめた、Gibsonの定番ピックアップです。
アルニコ2、バランスドコイル、ワックスポッティング、約8kΩという基本仕様からも分かるように、極端な高出力ではなく、温かさや滑らかさ、ピッキングへの反応を重視した設計になっています。
レスポールで太く甘いフロントサウンドを作りたい場合は通常の57 Classic、リアでもう少し出力が欲しい場合は57 Classic Plus、フロントの明瞭さを重視するならUnderwoundという選び分けが分かりやすいでしょう。
また、Burstbuckerとは同じPAF系でもコイル設計や音の方向性が異なります。どちらが優れているかではなく、滑らかでまとまりのある57 Classicを選ぶか、よりエッジや倍音感を狙うBurstbucker系を選ぶかという違いです。
ピックアップ交換では、ギター本体、アンプ、歪み量、現在の不満点まで考えることが重要です。57 Classicの名前だけで選ぶのではなく、通常版、Plus、Underwound、配線仕様まで確認し、自分が作りたい音に合ったモデルを選んでください。



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