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こんにちは、エレキギター完全ガイドの山田です。
PRSといえばCustom 24のようなソリッドボディを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はHollowbodyシリーズもかなり魅力的なギターなんですよ。
ボディ内部に空洞を持つ独特の響きに、PRSらしい弾きやすさやハムバッカーの力強さを組み合わせたモデルです。
私自身、これまでPRSのSE Custom、Core Custom 24、Custom 22を所有してきました。どれも作りの良さ、美しい外観、チューニングの安定性が印象的で、現在もCustom 24はメインギターとして活躍しています。
ただし、Hollowbodyについては所有してきたわけではありません。この記事では、長年PRSを弾いてきた経験を踏まえながら、Hollowbody固有の構造や仕様を区別して見ていきます。
特に迷いやすいのが、アメリカ製のHollowbody IIと、比較的購入しやすいSE Hollowbodyシリーズの違いでしょう。
見た目はよく似ていても、木材やピックアップ、ネックの仕様、さらにはピエゾの搭載有無によって使い方が変わってきます。
PRS Hollowbodyはジャズ専用のギターではありません。クリーンでのコード演奏はもちろん、ブルースや歌の伴奏、軽く歪ませたロックまで楽しめるところが魅力です。
今回はHollowbodyの音の特徴からSEとの価格差、各モデルの選び方まで、購入前に知っておきたい内容を詳しく解説します。
- PRS Hollowbodyの構造とサウンドの特徴
- Hollowbody IIとSEシリーズの具体的な違い
- ピエゾ搭載モデルの音色と使い方
- 自分に合うモデルと購入時の注意点
PRS Hollowbodyの特徴と評価
まずは、PRS Hollowbodyがどのようなギターなのかを見ていきましょう。
一般的なソリッドボディとの違いや、ホロウ構造がサウンドに与える影響を知っておくと、Hollowbodyを選ぶ意味が分かりやすくなります。
ホロウ構造ならではの豊かな響き
PRS Hollowbodyの最大の特徴は、ボディ内部に空洞を持つ構造です。
一般的なCustom 24のようなソリッドギターは、基本的に中身の詰まった木材を使います。一方、Hollowbodyはボディ内部に空間が設けられており、弦の振動に伴ってボディも響きます。
この違いによって生まれるのが、音に空気を含んだような広がりと、ふくよかな余韻です。
例えばクリーントーンでコードを鳴らした場合、単純に音が太くなるというより、コード全体に柔らかな響きが加わるイメージでしょう。
単音を弾いたときにも、硬く真っすぐな音だけではなく、少し丸みのある音色が期待できます。
ただし、ホロウ構造だから必ず温かい音になるとは限りません。
実際の音はピックアップや木材、アンプの設定などによって変わります。Hollowbody IIではメイプルのトップとバックを使い、明瞭さも意識した設計になっています。
つまり、昔ながらのジャズギターのような柔らかさだけを求めた楽器ではないんです。
PRS Hollowbodyのポイント
ホロウ構造による豊かな共鳴と、エレキギターとしての音の輪郭を両立させているところが特徴です。ソリッドギターとは違った表情を持ちながら、アンプにつないで幅広い演奏に使えます。
セミアコやフルアコとの違い
PRS Hollowbodyを探していると、「セミアコ」「フルアコ」「セミホロウ」という言葉も出てきます。
この違いは少し分かりにくいですよね。
一般的にフルアコはボディ内部に大きな空洞を持つタイプ、セミアコはボディ中央にセンターブロックと呼ばれる木材を配置したタイプを指します。
セミアコの代表例としては、Gibson ES-335のようなギターが知られています。
センターブロックがあることで、ホロウ構造の響きを持たせながら、音の持続やハウリングへの対策を考えた設計になっています。
PRSのHollowbody IIは、メーカーがHollowbodyとして分類するモデルです。
一方、PRSにはCE 24 Semi-HollowやSpecial Semi-Hollow、SE Custom 24 Semi-Hollow Piezoなど、明確にセミホロウと呼ばれるモデルもあります。
さらに2026年仕様のSE Hollowbody I Piezoには、センターブロックを用いた構造が採用されています。
そのため、PRSのホロウ系ギターはすべて同じ内部構造だと考えないことが重要です。
検索上はセミアコとして紹介されることもありますが、モデル名だけで判断せず、メーカーのボディ構造も確認したいところです。
クリーンで感じる音の魅力
Hollowbodyの持ち味を分かりやすく感じられるのは、やはりクリーントーンではないでしょうか。
ネック側のピックアップを選び、アンプのゲインを抑えてコードを弾くと、丸みのある音色が期待できます。
特にジャズで使うようなテンションコードや、音数の少ないアルペジオとの相性がよさそうです。
一方、ブリッジ側のピックアップでは、もう少し輪郭のある音を狙えます。
例えばポップスのバッキングであれば、ネック側だけでは少し柔らかすぎる場合もあります。そんなときはブリッジ側に切り替えたり、トーンを調整したりすると、曲に合った音作りがしやすくなるでしょう。
Hollowbody IIに搭載される現行のMcCarty IIIや、SEモデルの58/15 LT “S”は、どちらもヴィンテージ系のニュアンスを意識したハムバッカーです。
高出力で強く押し出すというより、ピッキングやコードの響きを生かす方向のピックアップになります。
もちろん、ギター単体の生音が豊かだからといって、アンプから出る音が必ず同じように豊かになるわけではありません。
最終的なサウンドはピックアップが拾う弦の振動、アンプ、エフェクターなどの組み合わせで決まります。
ブルースやロックにも使えるか
ホロウボディと聞くと、ジャズや落ち着いた音楽に使うギターという印象があるかもしれません。
でも、PRS Hollowbodyはブルースやロックにも十分使える可能性を持っています。
軽く歪ませたアンプでネック側のピックアップを使えば、丸みのあるリードサウンドを狙えます。ブリッジ側なら、もう少し歯切れのよいコードバッキングにも対応できるでしょう。
特にブルースでは、ピッキングの強弱やギター側のボリューム操作によって音の表情を変える場面が多くあります。
Hollowbodyの響きは、こうした演奏に面白い変化を加えてくれるはずです。
ただ、ハードロックで強いディストーションを使う場合には注意が必要です。
ホロウ構造はアンプからの音に共鳴しやすく、条件によってはハウリングが起こります。
私自身、長年ハードロックのコピーバンドで演奏してきましたが、歪みを増やすほど扱いやすくなるわけではない、というのはギター全般に共通する話です。
Hollowbodyを使うなら、過度なゲインよりも、少し余裕を残したクランチサウンドで楽しむのがよいかなと思います。
◆山田のワンポイントアドバイス
私がPRSのCustom 24を使い続けている理由の一つは、バンドで使える音色が多いことです。Hollowbodyを検討するときも、生音の印象だけではなく、普段演奏する曲の中で使えるかどうかを基準にすると選びやすくなりますよ。
ソリッドギターから持ち替えやすい
PRS Hollowbodyの魅力は音だけではありません。
エレキギターから持ち替えやすいネックや操作性も注目したいところです。
代表的なHollowbody IIとSE Hollowbody II Piezoは、どちらも22フレットで25インチスケールを採用しています。
25インチは、Fender系の25.5インチとGibson系で多い24.75インチ前後の中間に位置する長さです。
PRSのCustom 24でも採用される代表的なスケールなので、普段PRSを弾いている人なら違和感を覚えにくいでしょう。
ただし、ネック形状は異なります。
CoreのHollowbody IIはPattern、SE Hollowbody II PiezoはWide Fatです。どちらも極端に薄いネックではなく、握ったときに適度な厚みを感じるタイプになります。
また、ホロウボディはソリッドに比べて軽い個体も多く、長時間の演奏でメリットを感じる可能性があります。
ただし重量には個体差があるため、実測値を確認することが大切です。
私としては、音の良さと同じくらい、立って弾いたときのバランスを重視したいですね。

PRS Hollowbody IIとSEの違い
Hollowbodyに興味を持った人が次に気になるのは、やはりCoreとSEの違いでしょう。
同じPRSでも価格帯は大きく異なります。ただし、その差を単純に音の良し悪しだけで判断するのは難しいところです。
CoreとSEの主要スペックを比較
まずは2026年仕様のHollowbody II PiezoとSE Hollowbody II Piezoを比較してみます。
| 比較項目 | Hollowbody II Piezo | SE Hollowbody II Piezo |
|---|---|---|
| シリーズ | Core | SE |
| 製造 | アメリカ | インドネシア |
| ボディ | メイプル+マホガニー | メイプル+マホガニー |
| トップ加工 | Violin Carve | Shallow Violin |
| ネック | マホガニー1ピース | マホガニーMulti-Ply |
| ネック形状 | Pattern | Wide Fat |
| 指板 | ローズウッド | エボニー |
| スケール | 25インチ | 25インチ |
| フレット | 22 | 22 |
| ピックアップ | McCarty III | 58/15 LT “S” |
| ピエゾ | 搭載 | 搭載 |
| ペグ | Phase III Non-Locking | PRS Designed |
| 仕上げ | High-Gloss Nitro | モデル別のSE仕様 |
| 付属ケース | ギグバッグ | ギグバッグ |
こうして比較すると、共通する部分も意外と多いことが分かります。
特に22フレット、25インチスケール、メイプルとマホガニーを組み合わせたボディという基本的な方向性は共通しています。
一方、違いが大きいのはネック構造、ピックアップ、トップの加工方法、各パーツの仕様です。
Coreではボディの立体的な加工や細部の仕上げにも、上位モデルならではの工程が採用されています。
また、現行のCoreはMcCarty IIIを搭載しており、SEの58/15 LT “S”とは異なる音色設計です。
なお、表は2026年仕様を基準としています。以前のHollowbody IIではピックアップやペグ、付属ケースが異なることもあります。
詳細な仕様はPRS Guitars Japan「Hollowbody II Piezo 2026」公式製品情報で確認できます。
SE Hollowbody Standardの魅力
Hollowbodyシリーズを初めて購入するなら、まず注目したいのがPRS SE Hollowbody Standardです。
このモデルは、オールマホガニーのホロウボディを採用しています。
メイプルを組み合わせたHollowbody IIとは木材構成が異なり、温かみのある音色を目指したモデルです。
現行仕様では22フレット、25インチスケール、Wide Fatネック、エボニー指板を採用しています。
ピックアップは58/15 LT “S”を2基搭載。
操作系は通常のボリュームとトーン、3ウェイトグルスイッチというシンプルな構成です。
このモデルにはピエゾが搭載されていません。
そのため、アコースティック風の音色まで必要とせず、ホロウボディの響きをエレキギターとして楽しみたい人に合うでしょう。
例えば自宅でジャズやブルースを弾く人、ライブで柔らかなクリーントーンを使いたい人には、十分魅力があります。
機能が少ないことは必ずしも欠点ではありません。
必要な音色がハムバッカーだけで足りるなら、ピエゾを使わないシンプルなHollowbodyのほうが扱いやすい場合もあります。
SE Hollowbody II Piezoの実力
SEシリーズの中で、音色の幅を求めるならPRS SE Hollowbody II Piezoが有力な候補になります。
このモデルはメイプルのトップとバック、マホガニーのサイドを組み合わせた構造です。
Standardとの大きな違いは木材だけではありません。
LR Baggs/PRS Piezoシステムを搭載しており、通常のハムバッカーサウンドに加えて、アコースティックギターを思わせる音色も使えます。
58/15 LT “S”ピックアップは、柔らかさと明瞭さを意識した設計です。
ホロウボディの響きを生かしながら、リードやバッキングにも対応できるのが魅力でしょう。
さらに、2系統の出力を使えば、通常のエレキギター用アンプとアコースティック用アンプやPAへ別々に音を送ることも可能です。
ライブでクリーンとアコースティック風のサウンドを切り替えたい場合には、かなり便利な機能ですよね。
ただし、ピエゾの音は本物のアコースティックギターの胴鳴りを完全に再現するものではありません。
あくまでもエレキギターに搭載したピエゾシステムによる音色です。それでも、演奏中にギターを持ち替える手間が減るのは大きなメリットになります。
2026年仕様についてはPRS Guitars Japan「SE Hollowbody II Piezo 2026」公式製品情報に詳細が掲載されています。
ほかのSE Hollowbodyも比較
PRSのSE Hollowbodyには、StandardとII Piezo以外にも選択肢があります。
例えばSE Hollowbody Standard Piezoは、オールマホガニーのホロウボディにピエゾシステムを搭載したモデルです。
Standardの温かみのある音色を好みながら、アコースティック風のサウンドも使いたい人に向いています。
さらに、2026年にはSE Hollowbody I Piezoというモデルも展開されています。
こちらはメイプルトップとマホガニーバックを組み合わせ、85/15 “S”ピックアップを採用しているのが特徴です。
SE Hollowbody II Piezoの58/15 LT “S”がヴィンテージ寄りの方向性なのに対し、85/15 “S”は広い音域と明瞭さを意識したピックアップになります。
また、SE Hollowbody I Piezoはセンターブロックを取り入れ、サステインやハウリングへの対応も考えた構造です。
モデルごとの方向性を簡単に比較すると、次のようになります。
| モデル | 主な特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| SE Hollowbody Standard | オールマホガニー、ピエゾなし | ジャズ、ブルース、クリーン |
| SE Hollowbody Standard Piezo | オールマホガニー、ピエゾ搭載 | 歌伴、クリーン、アコースティック風の演奏 |
| SE Hollowbody II Piezo | メイプル+マホガニー、58/15 LT “S” | 幅広いジャンル、ライブ |
| SE Hollowbody I Piezo | センターブロック、85/15 “S” | バンド演奏、輪郭のあるサウンド |
なお、SE Hollowbodyシリーズでは2026年仕様に向けた製造構造の変更も行われています。
古い年式と新しい年式では、ボディの加工方法や細部の仕様が異なる場合があるため、中古品を探すときは製造年も確認しましょう。
ピエゾの仕組みと音の使い方
PRS Hollowbodyを選ぶうえで、ピエゾの有無はかなり大きなポイントです。
通常のマグネティックピックアップは、金属弦の振動を磁気によって電気信号へ変換します。
一方、ピエゾは主に弦からブリッジへ伝わる機械的な振動を電気信号に変える仕組みです。
そのため、ハムバッカーとは異なる硬質で明瞭な音色を作れます。
アコースティックギターに近い雰囲気の音を出したいときには便利ですが、接続するアンプやPAによって印象が大きく変わる点は知っておきたいところです。
SE Hollowbody II Piezoでは、マグネティック用とピエゾ用に独立したボリュームを備えています。
Mix/Piezo出力を使えば、通常のエレキギターの音とピエゾの音を混ぜることが可能です。
例えばハムバッカーを中心にしてピエゾを少し加えると、コードの輪郭やきらびやかさを補うような音作りを狙えます。
逆にピエゾを中心に使えば、アコースティック風のアルペジオにも対応できるでしょう。
さらに2本のケーブルで出力を分ければ、ハムバッカーはエレキ用アンプ、ピエゾはDI経由でPAへ送るといった使い方もできます。
ただし、こうした接続では配線や音量バランスの確認が必要です。
ライブ直前に初めて試すより、事前にスタジオで接続方法を確認しておくことをおすすめします。
ピエゾの注意点
ピエゾには電池を必要とするシステムがあります。対応するPRSモデルではマグネティック専用出力を使うことで、ピエゾ用電池に頼らずハムバッカーを鳴らせる仕様もあります。接続方法や電池の扱いはモデルごとの取扱説明書で確認してください。
SEとCoreの価格差に価値はあるか
購入時に悩むのが、SEとCoreの価格差でしょう。
国内の販売例では、SE Hollowbody Standardは10万円台、ピエゾ搭載のSEモデルは20万円前後から20万円台で見つかることがあります。
一方、Core Hollowbody II Piezoは80万円台以上の販売例もある高価格帯のギターです。
もちろん、これらは一般的な販売例に基づく目安で、在庫や年式、販売店、為替などによって価格は変動します。
これほど価格差があると、音も何倍もよくなるのではないかと考えたくなりますよね。
でも、ギターの価格は音だけで決まるものではありません。
CoreにはUSA製のピックアップやネック構造、ボディの立体的な加工、塗装、細部の仕上げといった違いがあります。
こうした部分に価値を感じる人なら、Coreを選ぶ意味は十分あるでしょう。
一方、実際の演奏で必要な音がSEで出せるなら、価格差をアンプやエフェクターに回す考え方もあります。
私自身、SE CustomとCore Custom 24の両方を使ってきましたが、SEを単なる初心者用ギターと考える必要はないと感じています。
ただし、SE Customでの経験をそのままHollowbodyへ当てはめることはできません。実際の音と弾き心地は、候補の個体で確認したいところです。
PRS全般のグレード差については、PRS SEで十分?Coreとの違いと選び方でも詳しく解説しています。
専用ケースの必要性
Hollowbodyを購入するときは、ケースについても考えておきましょう。
ボディに空洞を持つギターでは、持ち運び中に大きな衝撃を受けないよう注意が必要です。
特に車での移動が多い人や、ライブ会場へ頻繁に持ち運ぶ人は、ケースの保護性能を重視したいところです。
2026年仕様のSE Hollowbody II PiezoやCore Hollowbody II Piezoには、公式仕様上ギグバッグが付属します。
一方、旧年式ではハードケースが付属するモデルもあるため、購入する個体ごとに確認してください。
ケースを別途購入する場合は、単純にPRS用と書かれているだけでは不十分です。
ソリッドボディのCustom 24とHollowbodyでは胴の厚みが異なります。
一般的なエレキギター用ケースへ無理に収納すると、ボディやネックに余計な負荷がかかる可能性もあります。
ケースの内寸だけでなく、ボディ厚、ネックを支える位置、ヘッドストック周辺の余裕も確認しましょう。
可能なら販売店で実際に収納し、ファスナーやふたを無理なく閉じられるか確かめるのが安心です。
PRS Hollowbodyの選び方と注意点
ここからは、実際に購入する場面を想定して考えていきます。
Hollowbodyは魅力のあるギターですが、誰にでも最適というわけではありません。普段の演奏スタイルや使用環境によって、選ぶべきモデルも変わります。
ジャズやブルースに向いているか
PRS Hollowbodyは、ジャズやブルースとの相性を期待できるモデルです。
特にネック側のハムバッカーを使ったクリーントーンは、丸みのあるコード演奏や落ち着いたメロディーに向いているでしょう。
ジャズでは複雑なコードを鳴らす場面が多いため、音の温かさだけでなく、各弦の音が聞き取りやすいことも重要です。
PRS Hollowbodyは、そうした明瞭さにも配慮された設計になっています。
一方、ブルースでは少し歪ませた音も使いたくなりますよね。
ピックアップの出力を生かしながら、アンプを軽く歪ませれば、柔らかな音色から力のあるリードまで楽しめそうです。
ただし、昔ながらのフルアコ特有の大きなボディや深い低音まで求めるなら、別のギターも試したほうがよいかもしれません。
Hollowbodyは伝統的なジャズギターの完全な代用品ではなく、PRSなりの個性を持つギターだからです。
歌の伴奏やポップスで使う
私がHollowbodyの使い道として面白いと思うのが、歌の伴奏です。
ボーカルの後ろでコードを弾く場合、ギターの音が前に出すぎないことも大切になります。
例えばAメロでは柔らかなクリーン、サビでは少し輪郭を出したバッキングというように、曲の展開に合わせて音色を変える場面も多いでしょう。
通常のハムバッカーだけでも、ピックアップやトーンの調整によって対応できます。
さらにピエゾ搭載モデルであれば、アコースティック風のサウンドを加える選択肢が生まれます。
ギターを複数本持ち込めないライブでは、こうした機能が便利かもしれません。
ただし、ピエゾとハムバッカーを同時に使う場合には、音量差や周波数の重なりに注意したいところです。
アンサンブルの中で音が埋もれないように、必要な音域を残して調整することが大切になります。
ギター単体で気持ちのよい音と、バンド全体で聞きやすい音は必ずしも同じではありません。
ハウリングしやすいという欠点
Hollowbodyの購入前に知っておきたい欠点が、ハウリングの可能性です。
ハウリングは、アンプから出た音がギターやピックアップへ戻り、増幅を繰り返すことで発生します。
ホロウ構造はボディが共鳴しやすいため、ソリッドギターより影響を受けやすい場合があります。
特に大音量のアンプの近くで演奏するときや、強い歪みを使うときには注意が必要です。
ただし、Hollowbodyだから必ずハウリングするわけではありません。
アンプの音量や向き、ギターとの距離、歪みの量、演奏する音域などによって状況は変わります。
対策としては、まずアンプの正面に近づきすぎないこと。さらにゲインを必要以上に上げず、低音域の膨らみを抑えることも効果的です。
ノイズゲートを使う方法もありますが、ボディの共鳴によるハウリングを完全に防げるものではありません。
ハードロックを中心に演奏するなら、ホロウ構造そのものを優先するべきか、一度考えてみてもよいでしょう。
◆山田のワンポイントアドバイス
バンドでギターを選ぶときは、自宅での音だけで決めないほうがいいと思います。実際のスタジオで、ドラムやベースと一緒に鳴らしたときの聞こえ方が大切です。Hollowbodyをライブで使いたいなら、普段に近い音量と歪みで試すのがおすすめですよ。
ネックの太さと弾きやすさ
PRSのHollowbodyを試奏するなら、ネック形状は必ず確認したい部分です。
2026年のCore Hollowbody IIはPattern、SE Hollowbody II PiezoはWide Fatという違いがあります。
どちらも、一般的な薄型ネックとは違った握り心地です。
普段Custom 24のPattern ThinやWide Thinに慣れている人なら、最初は少し太く感じるかもしれません。
ただ、ネックが太いことが弾きにくさに直結するとは限りません。
コードを押さえるときに手のひらへ適度にフィットするほうが、かえって弾きやすい人もいます。
私自身、長年いろいろなギターを弾いてきましたが、ネックは数字だけで選びにくい部分だと思っています。
特にローポジションでコードを押さえたときの感覚と、ハイポジションで単音を弾いたときの感覚は別です。
試奏ではコードだけでなく、普段弾くフレーズやチョーキングも試してみてください。
PRSのネックや基本的な特徴については、PRSギターの特徴と音の傾向を解説した記事も参考になります。
中古Hollowbodyを購入する注意点
PRS Hollowbodyは新品だけでなく、中古市場でも探すことができます。
特にCoreモデルは高額なので、中古を選択肢に入れる人もいるでしょう。
ただし、中古では年式ごとの仕様差に注意が必要です。
例えばHollowbody II Piezoは、以前のモデルで58/15 LTピックアップが使われていましたが、2026年仕様はMcCarty IIIを採用しています。
また、ペグの仕様やケースの種類も年式によって異なります。
SE Hollowbody IIも、旧モデルと2026年仕様ではボディの製造方法などが変更されています。
こうした違いがあるため、商品名だけを見て現行仕様と同じだと考えないことが大切です。
そして、実物を確認できるならボディの状態もよく見ておきましょう。
ネックの反り、フレットの減り、電装系のガリ、ブリッジの状態だけでなく、ボディの接合部分や塗装に異常がないか確認したいところです。
ピエゾ搭載モデルでは、ピエゾ出力が正常か、各弦の音量に大きなばらつきがないかもチェックします。
さらに電池ボックスや出力ジャックの接触状態も重要です。
高額な中古品を購入するなら、返品条件や保証内容まで確認しておくと安心でしょう。
中古購入時の注意
ピエゾの動作確認では、通常のハムバッカー出力だけで判断しないでください。ピエゾ専用の出力やブレンド機能も確認する必要があります。不具合が疑われる場合は、楽器店やリペア技術者へ相談しましょう。
PRS Hollowbodyの評判を考える
PRS Hollowbodyの評価は、何を求めるかによって変わります。
ホロウボディの響きが欲しいけれど、通常のエレキギターに近い感覚でも演奏したい。そんな人にとっては、とても魅力のあるモデルでしょう。
一方、伝統的なフルアコの大きなボディや独特の低音を求める人には、少し方向性が違うかもしれません。
また、Coreについては高価格が大きなハードルになります。
SEでも十分に楽しめる可能性がある一方、Coreならではの仕上げや所有感を重視する人もいるでしょう。
これはPRS全体にもいえることです。
私が使ってきたCustom 24やCustom 22は、どちらも見た目の美しさと実用性の両方が魅力でした。
特にCustom 24は、今でもバンド演奏で頼りにしているギターです。
だからこそHollowbodyを評価するときも、PRSというブランドへの信頼と、Hollowbody固有の音を分けて考えたいと思っています。
見た目が美しいことと、自分に必要なサウンドが出ることは別の話ですからね。

PRSのソリッドモデルとHollowbodyのどちらがよいか迷った場合は、PRS Custom 24と24-08の違いを比較した記事も参考にしてみてください。
購入前に確認したいポイント
PRS Hollowbodyを購入するなら、できれば実機を試奏することをおすすめします。
まず確認したいのは、ネックの握り心地とボディの厚みです。
ホロウボディは通常のソリッドギターと形状や重量バランスが異なるため、立って弾く感覚にも違いが出ることがあります。
次に、クリーントーンと軽い歪みの両方を試してみましょう。
クリーンではネック側とブリッジ側のピックアップを切り替え、コードと単音の響きを確認します。
軽く歪ませた状態では、コードの分離や音の伸び方、ハウリングの起こりやすさを見ておきたいところです。
ピエゾ搭載モデルなら、通常のハムバッカーとピエゾをそれぞれ単独で使い、そのあとでブレンドしてみてください。
こうすると、そのモデルで実際に使いたい音が出るか判断しやすくなります。
また、購入予定の個体に付属するケースの種類も確認しておきましょう。
ネット通販では、掲載画像と実際の付属品が異なる場合もあるため注意が必要です。
価格や仕様は変更されることがあるので、正確な情報はPRS公式サイトや販売店で確認してください。高額なモデルや状態判断の難しい中古品については、最終的に楽器店の専門スタッフやリペア技術者へ相談することもおすすめします。
PRS Hollowbodyのよくある質問
PRS Hollowbodyに関するよくある質問(FAQ)
Q1. PRS Hollowbodyはジャズ以外でも使えますか?
A. はい。クリーンを中心としたポップスやブルース、歌の伴奏、軽く歪ませたロックなどにも使えます。ただし、大音量で強い歪みを使う場合はハウリングに注意が必要です。
Q2. PRS Hollowbody IIとSEの音は大きく違いますか?
A. ピックアップや木材、ネック構造などが異なるため、音色や弾き心地には違いがあります。ただし、価格差がそのまま音の優劣になるわけではありません。実際の音は使用機材や演奏方法にも左右されます。
Q3. PRS SE Hollowbodyでも十分にライブで使えますか?
A. 用途に合った音を作れれば、十分にライブで使える選択肢になります。ただし、ピエゾ出力の確認、音量バランス、ハウリング対策などは事前に行っておきたいところです。
Q4. Hollowbody II Piezoはアコギの代わりになりますか?
A. ピエゾによってアコースティック風の音色を出せますが、本物のアコースティックギターとまったく同じ音ではありません。ライブで持ち替えを減らしたい場合には便利ですが、用途に合うか試奏で判断するのがおすすめです。
Q5. PRS Hollowbodyとセミホロウはどちらがおすすめですか?
A. ホロウ構造による響きを重視するならHollowbodyが候補になります。一方、ソリッドに近い演奏感や歪みを使う場面を重視するなら、SE Custom 24 Semi-Hollow Piezoなども比較するとよいでしょう。内部構造はモデルごとに確認してください。
まとめ
PRS Hollowbodyは、ホロウ構造の豊かな響きとエレキギターとしての使いやすさを両立させた、魅力的なシリーズです。
ジャズだけでなく、ブルース、ポップス、歌の伴奏など、さまざまな音楽に使える可能性があります。
特にピエゾ搭載モデルでは、通常のハムバッカーサウンドに加えてアコースティック風の音も使えるため、ライブで一本のギターを幅広く活用したい人に向いています。
モデル選びのポイントをまとめると、次のようになります。
- SE Hollowbody Standard:シンプルなホロウボディと温かみのある音を楽しみたい人
- SE Hollowbody Standard Piezo:マホガニーの音色とピエゾの両方が欲しい人
- SE Hollowbody II Piezo:クリーンからアコースティック風の音まで幅広く使いたい人
- SE Hollowbody I Piezo:明瞭な音色とセンターブロック構造に魅力を感じる人
- Core Hollowbody II Piezo:USA製PRSの素材や仕上げ、上位モデルならではの仕様を求める人
予算を抑えてHollowbodyの魅力を楽しみたいなら、SEシリーズは有力な選択肢です。
一方、長く所有する一本として、PRS Hollowbody II Piezoの美しい仕上げや上位仕様に魅力を感じるなら、Coreを選ぶ価値も十分にあるでしょう。
私自身、PRSを長年使ってきて感じるのは、スペックだけでは決められない魅力があるということです。
弾きやすさや音はもちろんですが、ケースから取り出したときに「今日も弾こう」と思えることも大切なんですよね。
Hollowbodyを選ぶときも、価格やグレードだけにとらわれず、自分が弾きたい音楽に合うかを基準にしてみてください。
ソリッドギターとは少し違った響きが欲しいなら、PRS Hollowbodyは一度試してみる価値のあるギターだと思います。



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